医療ADRのご説明

ADRとは

 東京では、弁護士会が、医療ADRを行っています。これは、3回程度の期日をもうけて、話し合いで解決することを探る手続です。裁判のように時間がかからず、証人尋問等も行いませんので、早期解決を望む事案、医療機関側が過失を認めているが損害額に争いがあるケースなどに向いてます。

 他方、医療機関側が全面的に過失を争っていて見舞金の支払も拒否しているケースや、医療機関側が見舞金を支払うことは納得しているが、患者が見舞金ではなく、相応の損害賠償金の支払を希望しているケースなどには向きません。

医療ADRの進め方

 医療ADRは、次のように進められます。

 医療ADRは、患者側からも医療機関側からも申立ることが可能ですが、通常は患者側からの申立が多いので、以下は、患者側が申立る場合を前提としてご説明します。 

受任契約等
ADRは、裁判ほど複雑な手続ではないため、複雑でない事案では、ご本人で申立をすることもあります。
しかしながら、複雑なケース、医学的な説明が必要なケースでは、弁護士を付けた方がよいでしょう。
当事務所でADRのご依頼をお受けするときは、下記の要領で行っています。
申立の準備
ADRを申立るためには、申立書を作成する必要があります。この申立書には、患者側がそのADRを申立るに至った事情や、そのADRで何を求めたいかを記載し、カルテや医学文献等の証拠を付けて申立てます。
そこで、まずその準備を行います。
ADRの申立
ADRの申立を行います。若干の申立費用がかかります。
相手方に連絡
弁護士会から、相手方に連絡し、相手方に出席を呼びかけます。
相手方はADRの手続に参加することも、拒否することもできます。
相手方が手続に参加することを応諾したときには、手続が開始されます。
第1回期日の決定
第1回期日が決められます。
期日の開催
医療ADRの様子当事者や弁護士が出席し、期日が行われます。
弁護士が付いているときは、弁護士が出席します。ご本人も出席でき、出席した方が内容も分かりやすいのですが、出席しなくても構いません。話し合いが始まりますが、当事者双方同席で進める場合と、交互に部屋に入り、別々にお話を聞いて進める場合があります。このあたりは、当事者のご希望を尊重して決められます。
まず、申立人から、申立の経緯、どのような内容の解決を望むかなどを説明します。
これに対して、相手方は、意見、希望を述べます。
話し合い
このようにして話し合いが進められます。
ADRは、早期解決を目指す手続ですので、期日は、概ね3回程度です。
終了
  • 和解が成立し、和解契約書を作成
     和解が成立した場合には、成約手数料を支払います。
  • 和解不成立
     和解が不成立となった場合には、それで終了とする場合と、裁判をする場合があります。
     当事務所では、依頼者の方と相談の上、その後どうするかを決めます。
和解金等の支払
和解が成立し、そこで金銭の支払の約束がなされているときには和解契約書に記載されている解決金が支払われます。
事件終了
これにより事件は終了となります。 成功報酬をお支払いいただきます。