薬の過剰投与などの能書違反

 薬には、使用方法や使用量、投与してはならない場合などを説明した添付文書である能書というものがあり、薬を投与するときには、能書に従わなければならないことになっております。しがしながら、中には、能書に違反した投与が行われ、医療事故が発生することがあります。新薬を使用した場合に、能書の確認をしないで投与されたのではないかと思われるケースもありました。

能書違反で医療機関の責任が認められた例

  腰椎麻酔剤の投与で、能書に定められている通りに血圧測定がなされずに手術を行い、患者が心停止に陥り、重大な後遺症を残した例。

最高裁判所は、「医師が、医薬品を使用するにあたって、能書に記載された使用上の注意事項に従わず、それによって医療事故が発生した場合には、これに従わなかったことにつき、特段の合理的理由がない限り当該医師の過失が推定される」として医師の過失を認めました。

 

能書違反があっても全て責任が認められるわけではありません

 ただ、能書違反があった場合に、全てのケースで医療機関の責任が認められるわけではありません。

 能書違反と生じた結果との因果関係等も問題となります。

 

弁護士にご相談下さい  

 能書に反して薬の過剰投与等が行われ、医療事故が発生したことが疑われる場合には、まず弁護士にご相談下さい。