がんの発見遅れ

 内視鏡検査の結果、がんを疑い更なる検査を行うべきであるのにもかかわらず、検査がなされず、早期発見、早期治療の機会を逸してしまったケース。

 CT画像上、がんを疑うべきであるのに、疑わず、発見が遅れたケース。

 画像診断報告書の確認を怠り、がんの診断が遅くなったケース。

 など、医療機関の落ち度によりがんの発見が遅れた事案には色々なケースがあります。裁判例も、医療機関の責任が否定されたものも沢山ありますが、責任が認められたものも沢山あります。

因果関係が問題に

  ただ、発見遅れがあった場合、全てのケースで医療機関の責任が認められているわけではありません。

 発見遅れがなくても、結果が変わらなかったと判断されることもあります。

 発見可能であった時点のがんの進行状態、発見が遅れたことにより治療が遅れた期間はどれくらいか、がんのタイプ(進行が速いか、治療成績の良いがんであるか)などが問題となります。

弁護士ご相談下さい  

 このように、医療機関の責任が認められるかどうかは、事案毎に異なります。

 基本的には、カルテやCT画像などを確認し、協力医に見ていただき、ご意見をうかがいながら進めます。

 有名な大学病院で、複数の医師が画像を見ているのに、何回も見落としたケースで、当方が責任追及を行ったところ、病院側でカンファレンスを行い、結局非を認め、謝罪の上、賠償金を払っていただいたたケースもありました。

 大学病院だから、複数の医師が関与しているから間違いがないとは言えません。

 納得いかながまま、もやもやしているのも辛いものです。また、責任追及しなければ、そのままうやむやに済まされたものが、責任追及したがゆえに、医療機関も真摯に向き合わざるを得なくなることもあり、医療の向上に資するという側面もあります。

 疑わしい場合には、弁護士にご相談下さい。